当院で使用している鍼灸針は全て使い捨てのものを使用しており、 セイリンというメーカーの 通称「寸三（すんさん）の一番（いちばん）」と呼ばれる、「一寸三分（長さ約４ｃｍ）の１番鍼（いちばんしん）〔太さ0.16ｍｍ〕」を最も多用しています。また場合に応じて現時点で最も細い鍼０３番鍼（ぜろさんばんしん）〔太さ0.10ｍｍ〕のものから、３番鍼（さんばんしん）〔太さ0.20ｍｍ〕程度の太さの鍼を使い分けています。

より細いハリを使用した方が、痛みが出現しにくくなる傾向があり、注射針や縫い針と比べると非常に細いものを使用しています。

鍼治療の刺激は基本的には痛いものではないのですが、強い刺激をしたり、敏感な部位への刺激をしたりする場合、あるいは技術が未熟であるがゆえに痛みが生じてしまうことがあります。

当院では、鍼灸治療の名医と呼ばれることを目指し、鍼の打ち方を日々研究し、より痛みのない施術を心がけております。 軽い刺激でも効果をだす治療を行っておりますので、痛みが苦手な方でも安心して受療していただけます。また、強さについては臨機応変に対応していきますので、ご相談ください。

お灸も、技法によって、熱く感じるものもあれば、温かいくらいに感じるものあります。当院では、基本的には温かく感じる程度のお灸を行っておりますが、施術する位置や個人差によって、熱さを感じる程度が異なったり、気持ちよく感じる温度が異なったりすることがあります。そのため、必ず弱めの刺激からはじめていきます。

・鍼治療の経験があるのかないのかをうかがいます。
・鍼治療に対しての恐怖感があるのかないのかをうかがいます。
・鍼治療の刺激の程度を確認してもらってから、施術を開始します。

治療をしたことによって起こった体の変化を示すようにしています。

まずは、治療前の状態をしっかりと把握することから始めます。例えば、痛みの箇所、程度などは、本人も全てを把握できているわけではありません。問診や脈診、理学検査などから、治療前の状態を確認します。

そのうえで治療を開始し、治療における変化を示すことで、治療効果を実感しやすくなります。

例えば、１０の痛みが０になれば、だれでも治療効果を実感できるかもしれませんが、１０の痛みが９になったとしても、そうそう気づけるものではありません。すると、治療効果が出ていたとしても「効かない」と思い、良くなることをあきらめてしまうことかもしれません。

鍼灸治療の効果は、症状や個人差により一概ではありません。一度の治療で劇的に改善するケースも多々ありますが、慢性症状など根気強く続ける必要があることもあります。

当院では、治療における体の変化を示すことで治療ごとに効果を実感して頂けるように努めています。

当院では「経絡治療」をベースにして、個人個人にあわせた鍼灸治療を行います。当然ですが、一人として同じ体を持つ人はいません。そのため、同じ症状だとしても、治療箇所が全く同じになることはほとんどありません。また同じ人でも季節やその日の体の状態に合わせた治療を行いますので、治療内容は常に変化していきます。

東洋医学には、本治（ほんち）法と標治（ひょうち）法という概念があります。
本治法とは、体のもともとの弱っている部分を良くしていこうという治療です。軽い症状なら、直接の治療を行わなくても本治法を行うだけでなくなってしまうことも多くあります。自己治癒力が強くなることが特徴で、特にどこか調子が悪くなくても、続けることで病気になりにくい体になることが出来ます。
標治法とは各症状に対する、対症的な治療になります。痛いところに直接ハリ治療を加えるだけでなく、全然関係のないと思われるところに治療を加えることもあります。病に対する直接的な治療になるので、効果の実感を得やすい特徴があります。
当院では、本治法と標治法の両面から治療することで、どのような方にも「自分に合う」治療を行うことができます。