鍼が効く理由②
「鍼灸で痛みが消える理由」は「なぜか」の説明は簡単ではありません。
簡単でない理由の一つとして、東洋医学の概念、経絡の流れ、現代医学からの見立て、解剖学、生理学、病理学など、さまざまな要素が絡んでくるということがあります。
そして一つの要素からの説明では、他方からの矛盾が生じることもあります。
例えば、東洋医学の側面から説明をするとします。
患者「どうして鍼をしたら痛みが消えたのですか?」
鍼灸師「人間には経絡という流れがあって、このツボに鍼を刺すとその流れがよくなったから痛みが無くなったのですよ。」
しかし、これでわかるでしょうか。
なんとなくわかるような、わからないような。
そんな感じではないでしょうか。
実際にこのような説明をする鍼灸の先生は多いかもしれません。
が、もしかしたら余計にわからないと思う方もいるのでは??
なぜなら、この答えは「東洋医学の概念」の上に成り立ったうえでの説明だからです。
東洋医学の概念が“そもそもわかっていない”のならば、
「何を行っているのかわからない」
「東洋医学は胡散臭い」と思う方がいても不思議ではありません。
例えば、電気の場合であれば
「魔法を使ったの?」
「このスイッチを押したから、この照明器具に電気が流れて明るくなったんだよ。」
ということです。
当然、原始人には理解できないでしょう。
電気そのものを知らないわけですから。
東洋医学の説明は、現代医学の常識の中で解決しようとすると矛盾が生じることがあります。
例えば、経絡(けいらく)を解剖学的な視点から見てみると、どこを経絡と呼ぶのかを示すことは困難です。経穴(ツボ)も同様です。
また、気(き)という概念は一般的に非常に理解し難いモノでしょう。
そういった、問題をすっ飛ばし、東洋医学の面からの説明でよければ
「どうして鍼をしたら痛みが消えたのですか?」
「経絡が流れが良くなったから」
という説明でもいいかもしれません。
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